平均寿命というのは、昔に比べて随分上がっていますから、今の世の中では70歳なんてまだまだ現役、80歳を過ぎてもバリバリで働いいらっしゃる方々は多いです。
68歳なんて年齢はまだまだ現役で働くことが出来るのだと元気づけられます。
一昔前ですと、50歳を過ぎたあたりから年寄り扱いされ、60歳で現役を引退、70歳以降になれば隠居生活というのが世の常でした。
しかしながら、現在ではそう簡単に隠居生活などできないのです。
平成25年4月2日より開始された65歳定年制により、定年退職の年齢は60歳から65歳に段階的に引き上げられています。
すでに60歳では社会生活から引退できないのです。
しかも、年金の満額支給は65歳からです。
年金の支給年齢は今後も引き上げられていくでしょう。
しかも、その年金も当てにできない金額です。
私のように自営業で廃業してしまった人間にとっては、厚生年金もありませんからもっと厳しい現状が待ち構えています。
少子高齢化が進んで、年金の財源不足は想像以上に深刻です。
年金保険料というのは、自分のためではないということをまずは認識しなければなりません。
年金制度というのは、現在の若い世代が高齢者を扶養する「世代間扶養」ですので支払う側と貰う側のバランスが崩れてしまえば、自ずと崩壊してしまいます。
年金制度は今後ますます当てにはできない制度になってくるのは確実だと思います。
すでに社会の構造がそうなってしまっているので、これは避けることが出来ません。
今後、年金は支払いは増えて貰える金額は減っていきます。
一昔前のような優雅な隠居暮らしが出来る人はほんのわずかということになります。
したがって、長年会社勤めをしてきたサラリーマンでも、定年退職後も現役で働かざるを得ない状況になってきています。
前にもお話したように、会社員は勤めている会社に守られていますが、その会社を退職してしまえば裸同然のただの老いぼれになってしまいます。
退職金と年金だけでは、老後の生活は賄えません。
したがって、定年退職する前から、老後の生活のビジョンをしっかりと考えておく必要があります。
時期的には少しでも早いほうが良いでしょう。
一度定年退職してから嘱託社員などで再雇用された場合、とりあえず65歳までは大丈夫だから・・と甘んじていると、65歳からでは気力も体力も無くなってしまいます。
特に中高年では、新たにチャレンジして失敗したときの不利益が大きいと考えると、どうしてもリスク回避のために何もしなくなってしまいます。
人生100年時代と言われますが、長く生きていても、
何も出来ない無能な老人になってしまっては全く意味がありません。
生涯現役であるということを若いうちから意識して、老後も継続して働くことのできる環境作りが大切です。
定年退職してから、いざ、働こうと思っても残念ながら老人が働ける環境というのは整っていません。
老人に残された就職先というのは、3Kと呼ばれるような仕事しかありません。
ちなみに以前の3Kは「キツイ、危険、汚い」でしたが、最近では「帰れない、厳しい、給料が安い」なども言われます。
とにかく、人が嫌がる仕事ですね。
以前、スーパーの朝の品出しの話をしましたが、本来時給1000円なのに、年齢が65歳以上だと800円になってしまいました。
これは明らかに差別だと思うのですが、これが現状です。
年寄りというのは、世間的にみてそのような評価でしかないのです。
年寄りが敬われる時代はすでに過去のことです。
芸能界とは違って、60歳を超えてもまだまだバリバリで働ける・・・と思っても、
年寄りが働ける場所は限られています。
したがって、
少しでも若いうちから
生涯に渡って役に立つようなスキルを身に付けるということが重要です。
私は歯科技工士を廃業したあと、全くのゼロからスタートして色々な職種を経験しながら現在に至っていますが、ふりかえってると、やはりそこには「キツイ、危険、汚い帰れない、厳しい、給料が安い」の要素が溢れています。
そんな中で「食品加工会社」の仕事を軸にしてずっと続けていき、その他に自分で納得のできる長く続けられる仕事を模索しています。
「食品加工会社」は「キツイ、危険、汚い帰れない、厳しい」はないのですが、唯一「給料が安い」ということがありますので、基本的に、この仕事だけでは生活出来ません。
結論から申し上げますと、
生涯生き残って行くためには、「自営」の道しかないのかなと思います。
私の場合、夜の仕事である「ナイトマネジャー」を辞めた理由の一つとして、まずは自由な時間を作って、再び「自営」への道を歩んでいこうと考えているということがあります。
そのためには、
●自分にはいったい何が出来るのか
●今現在、社会は何を必要としているのか
●今後、長く続けていける仕事は何なのか
を常に考える必要があるのです。
そして結果的にはそれに伴うスキルが必要なのです。
何度も言いますが、年齢と共に気力も体力も無くなります。
したがって、
少しでも若いうちから
高齢化社会の中で生き抜いていくための準備をすべきです。